週末図書室 Feed

2018年6月11日 (月)

買い物日記【つげ義春】

知らない間に、
つげ義春関係の本が2冊出ていた。
いつもは鬱陶しく思うアマゾンからの広告メールも、
こういう時はありがたい。
早速注文。

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▲スペクテイター〈41号〉 つげ義春 (2018/2/22) 発行:エディトリアル・デパートメント 発売:幻冬舎

 アックス 第119号 特集・つげ義春 生誕80周年記念 祝・トリビュート! (2017/10/25)青林工藝舎


スペクテイターもアックスも、
盛り沢山の内容で充実。
編集の方々に感謝します。
特にスペクテイター巻末のつげ先生近影は、
あまりにありがたく、
しばし涙・・・。


スペクテイターは初めて購入した。
もう41号とのことだが、
今まで店頭で見かけたことはない。
アックスも創刊時(20年ほど前)には、
地元の書店にも並んでいたのだが、
今はそんな書店自体がなくなってしまった。

書店は、

あるにはあるのだが・・・。


昔、ガロをよく買っていたのは、
町角の、それこそ3畳くらいの狭い本屋だ。
あの頃はそんな小さな本屋にも、
ガロやCOMが置いてあった。
なんて豊かな時代だったんだろう、
と、考えてみれば、
もう40年以上も前の話、
そんな昔話をしてもしょうがないね。





つげ先生、もう80歳になられるのか、
新作を描かなくなってもう30年以上になるのかと、
あらためて月日の流れを思う。



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日々、その日その時の気分で、
その気分に合うつげマンガを読み返している。

「実はまだ二階にいるのです」とか、
「そりゃあんまりだよう」とか、
「サンビスしますから」とか、
「夜が入ってくるじゃないか」とか、
「一回きりならゆるせると思ったが四、五回ではもう」とか、
そんなセリフも日常の場面で、
思わず口にしてしまう。

だから30年の空白といわれると、
あらためて驚いてしまう。

「近況は、早くこの世からおさらばしたい、
もうそれだけですよ」とおっしゃるつげ先生だから、
もう新作は見られないかもしれない。
でもいい。
今までの作品を読み返すだけでも、
自分も余生は静かに豊かに過ごせる。

と、言いつつも、
「ひょっとしたらいつか、つげ先生の新作が」と思えば、
それまではなにがなんでも生きていたいと、
長生きを願うオッサンなのであった。


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  今、雑誌などに掲載されてる作品は、
  「今、流行っているもの」
  「これから流行りそうなもの」
  「読者に受けそうなもの」
  今も、昔も、商業作品とはそういうものなのだが・・・
  つげさんの作品は、そのどちらでもないような気がする。
  つげさんの作品は、何年たっても古くならないし、
  何年たっても新しい。

  スペクテイター「あの頃の、つげ義春とぼく」山口芳則

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▲実弟のつげ忠男さんの本も並べてみました。





2018年6月 8日 (金)

本はやっぱり紙の本がいい

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どうやって作ったんだろうと思う、
ほるぷ出版の復刻本シリーズ。
紙質から印刷から造本から、
出版当時のままに忠実に復刻されている。

と、エラソーに言いましたが、
もちろん原本を持ってて、
それと見比べた上で言ってるわけじゃないですよ。
多分そうなんだろうなと思ってるだけ。


テンちゃん、邪魔!




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有名文豪の復刻シリーズもあって、
そこまでは手が回らないが、
児童文学の復刻本は、
古本で見かけてそんなに高価でなければ、
つい買ってしまう。

「名著復刻日本児童文学館」として、
第一集32巻、第二集33巻、
全65巻出てるらしい。




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ぽちぽち買ってるうち20巻ほど集まった。
読まなくても、
眺めてるだけで楽しい。
本として美しい。

原本は大正から昭和に出版されたものですが、
当時の出版社の良心でしょうか?
作者に負けず劣らず、
その装丁・挿絵の豪華な顔ぶれにも驚かされます。
なんて贅沢な時代だったんでしょう。

では、そのうちの何冊か紹介しましょう。



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十五夜お月さん
 野口雨情の童謡集。
 絵は児童雑誌「コドモノクニ」の絵画主任としても活躍した岡本帰一。



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ふるさと
 「新生」騒ぎのあとで、
 フランスへ逃げてたりしていた時期の島崎藤村が、
 自分の子ども達へ向けて書いた童話集。
 



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▲絵は大正時代の挿絵と言えばこの人! 竹久夢二です。



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おぢいさんのランプ 
 「ごん狐」や「手袋を買いに」で知られる新美南吉の、
 意外や、これが生前に刊行された唯一の童話集。
 装丁はなんと!棟方志功。




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▲カバーをはずしても棟方志功!




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▲挿絵も沢山!



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カチカチ山と花咲爺 
 おなじみの昔話を武者小路実篤が児童劇の脚本として書いたもの。
 武者小路実篤というと「仲良きことは・・・」のカボチャの人というイメージが大きいかもしれませんが、
 「新しき村」の理想を掲げ、裏切られても裏切られても邁進する姿など、
 なかなかどうして、ただのお人好しなんかじゃありません。
 



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▲扉と箱
 絵は岸田劉生。
 岸田劉生というとあの「麗子像」のイメージが大きくて、
 ひょっとしたら下手なんじゃ?などと思ってしまいそうですが、
 なかなかどうして、じつはとっても凄い人なんです、
 なんてことはわざわざ言うまでもないですね。




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▲お爺さんとポチ
 これがお爺さん、
 これがポチ、
 モダンですね。
 デューラーですね。




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▲兎の勇姿と哀れな狸
 ちなみに発行は「阿蘭陀書房」となってます。
 その名前もいいですね。
 大正6年(1917年)の発行です。

ほかにも
酒井朝彦「木馬のゆめ」の初山滋とか、
内田百けん「王様の背中」の谷中安規とか、
豊島与志雄「エミリアンの旅」の、
ちょっと違うタッチの棟方志功とか、
いろいろ紹介したいものもありますが、
少々疲れました、
今日はこのへんで。

いずれまた。






2018年5月28日 (月)

本を売る

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本好きは、
誰も一度は古本屋を夢見るだろう。
客商売は苦手でもネット古書店なら・・・とか。

ぼくも夢見た。




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まあ、夢だから楽しいのでね、
現実はどんな商売でも、
グータラではつとまらない。
すぐに諦めた。


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▲「古本屋台」 Q.B.B(作:久住昌之、画:久住卓也)2018年4月(集英社)

で、これは、
屋台で古本を売るという夢のような商売のまんが。
うん、これなら家賃もいらないしなあ、
と、ついまた夢見てしまいそうになったが、
まあ、それこそ夢だから楽しいので・・・。

まんがの中でも、
誰も来ない雪の夜もあるし、
屋台を引くのは重そうだし・・・。
それでもこの古本屋台にはけっこうお客さんが来て楽しそうだ。

ネットには「もう特定層の願望そのもの」とか、
「ほんとにこんな屋台があったらいいのに…」
「あれば毎晩行きたい」とかいったレビューが並んでいる。



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▲今日のルテン

ぼくが事務所として借りてたこの部屋も、
いつのまにか壁が本棚で埋まって、
ここに始めてくる人は大抵「ここは古本屋ですか?」と聞く。
それでこの頃は、金・土の夜は珈琲などを用意して、
古本喫茶の真似事みたいなことを始めた。
でもあまり人は来ない。

少しばかり売りものの本も置いてあるが、
108円で買ってきた本を100円で売ってるわけで、
売れれば売れるほど損という話。

こんなこと、
金のなる木があるじゃなし、
いつまでもは続けられないが、
でもこんなことをやってみたかったんだ、
多分、ずっと、
こんな役に立たないことを。




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▲「古本屋台」に出てくる本で、この部屋にある関連本を集めてみた。

 つげ義春選集 つげ義春 1986年 小学館
 ヨシボーの犯罪 つげ義春 1992年 小学館
 こどものやまい 鈴木翁二 2003年 珈琲文庫
 夢泥棒 赤瀬川原平 1975年 学藝書林
 背中の志ん生 古今亭圓菊 2001年 うなぎ書房
 遊覧日記 武田百合子・武田花 1993年 ちくま文庫
 日日雑記 武田百合子 1997年 中公文庫(作品中では1997年の単行本)
 火星年代記 レイ・ブラッドベリ 1976年 ハヤカワ文庫(作品中では1963年の単行本)

 (ただし
  「つげ義春選集」は出てこない。出てくるのは「つげ義春作品集(1975年 青林堂)」。
  「日日雑記」は1997年の単行本で文庫版ではない。
  「火星年代記」も1963年の単行本でこの文庫版ではない。)


ということで、
古本屋台の店主と同じく、ぼくも無愛想です。
バイオリンは弾きませんがギターを弾きます。
白波お湯割り飲めます。
稀覯本はありません。
ガロ、つげ義春、ボブ・ディランあたりは結構揃ってます。

特におかまいはしませんが、
かわりに猫が2匹います。

物好きな方はいらして下さい。



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▲今日のブラン





2018年4月17日 (火)

今週土曜日のぶらん亭はお休みです


2月から毎週金・土曜の夜は、
「週末図書室」としてここを開けてますが、
今週土曜日4月21日はライブ出張のためお休みです。


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金曜日は開いてますからね、
来て下さいね。


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ぶらん亭には

雑多な本あります。
古いガロあります。
ガロ系のマンガあります。
特につげ義春はかなり揃ってます。
アナログレコード聞けます。
古いビデオ見られます。
カセットテープ聞けます。
一応CDやDVDもあります。
音楽は主に60〜70年代のアメリカSSW系。
ボブ・ディランはかなり揃ってます。
猫がいます。




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▲猫は時々こんなことをします。





2018年3月16日 (金)

火山は爆発するし地震は起る

明日図書館に返さなければいけない本に、
かなり共感する部分があったので、
取り急ぎ書き写しておく。

著者渡辺京二は1930年生まれの日本近代史家・評論家。
江戸時代を明治維新により滅亡した一個のユニークな文明として甦らせた
『逝きし世の面影』は、和辻哲郎文化賞。
少年期、大連から日本へ無一物で引揚げた経験を持つ。
10代で日本共産党に入党するが、20代なかば共産主義運動に絶望、離党。



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未踏の野を過ぎて 渡辺京二 弦書房 2011年


■東日本大震災にふれた「無常こそわが友」より

「私は大震災に対するメディアおよび人びとの反応ぶりが大変意外だった。なぜこんなに大騒ぎするのか理解しかねた。これが大変な災害であり、社会の全力を挙げて対応すべき事態であるのは当然としても、幕末以来の国難であるとか、日本は立ち直れるのだろうかとか、それに類する意見がいっせいに溢れ出したのには、奇異の念を通り越してあきれた。三陸というのは明治年間にも大津波が来て、今回と同様何万という人が死んだところである。関東大震災では十万以上の死者が出た。首都中枢が壊滅したのである。それでも日本が滅びるなどと言い出すものはいなかった。」

「東北三県の人びとはよく苦難に耐えて、パニックを起こしていない。パニックを起こしているのはメディアである。災害を受けなかった人びとである。」

「この地球上に人間が生きてきた、そしていまも生きているということはどういうことなのか、この際思い出しておこう。火山は爆発するし、地震は起るし、台風は襲来するし、疫病ははやる。そもそも人間は地獄の釜の蓋の上で、ずっと踊ってきたのだ。人類史は即災害史であって、無常は自分の隣人だと、ついこのあいだまで人びとは承知していた。だからこそ、生は生きるに値し、輝かしかった。人類史上、どれだけの人数が非業の死を遂げねばならなかったことか。今回の災害ごときで動顛して、ご先祖に顔向けできると思うか。人類の記憶を失って、人工的世界の現在にのみ安住してきたからこそ、この世の終わりのように騒ぎ立てねばならぬのだ。」


「現代人気質について」より
「今の人間はもっと面白い、もっと素晴しい、もっと胸のわくわくする一生を過ごせたのじゃないかという後悔に身を噛まれております。だから一生子どもなのです」



他「大国でなければいけませんか」「社会という幻想」
「老いとは自分になれることだ」「つつましさの喪失」
「前近代は不幸だったか」等、30編収録。

この本を知ったのは、
勢古浩爾「結論で読む幸福論(草思社文庫)」。
(「生きるに値するもしないもない」の章(228ページ))





2018年3月 6日 (火)

今度の金曜日は図書室の集い

2月から金・土の夜だけこっそり始めた「週末図書室」ですが、
思った以上の盛況で、
いえ、盛況と言っても一日ひとりとかふたりとかですがね。
でも、もともと「当分は誰も来ないだろうな」と覚悟して始めたことですから、
それで十分。
このブログの他には特に宣伝もしてませんし。


ゼロというのと、
ひとりというのとは、
たったひとりだけの違いですが、
ひとりでも来てくれるなら、
それは百人にもつながるんだと思っています。
ゼロはいくら重ねてもゼロですが。
でもさすがに先週の暗い冷たい雨の土曜日は、
誰も来ませんでしたね〜。


そんなこんなで、
アドレスを頂いてる方には週末図書室のこと、
メールでお知らせしようと、
メールを送ろうとしてたその途中でパソコンのトラブル、
そのあげくのブラウザの入れ替えや自分のメールアドレスの変更等が重なってしまい、
さて、どなたに出したのやら、出してないのやら・・・。

「オレのところに挨拶がないとは無礼千万!」
「私にはお誘いがないのね、失礼しちゃうわ!」
などとお思いの方、
いらっしゃいましたらそのような事情でございます。
平にご容赦を!


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というわけで、
今度の金曜日(9日)、
週末図書室初イベントとして「図書室の集い」というのをやります。
過去ぶらん亭イベントとして何度かやりました「読書会」の“ゆるい”ようなやつです。
“ゆるい”というのは、
今回はブックトークとか朗読といった本に関係したことにこだわらず、
おしゃべりでも歌でも隠し芸でもなんでもいいやという、
また、特になにかをしなくても別にいいやという、
そんな風に思ってるわけで、
「なんだ、おっさん、やる気ないのか?」と言われると決してそういうわけじゃないんですが、
つまり、あまり肩肘張らない集まりがいいなと、
そのように思っているわけでございます。
例によって参加者=出演者=観客です。
もちろん見てるだけの方も大歓迎!


第1回「図書室の集い」

 日時  3月9日(金)夜5時〜9時
     時間のある方は5時からあいてますから、 
     早く来てゆっくり本でも読んでて下さい。
     なにか始まるのは7時過ぎあたりからです。
 会費  500円(ワンドリンク付き)
     持込み自由
 場所  北九州市小倉北区片野2丁目16-15 ぶらん亭 
    (居酒屋「たまりば」のビルの2階) 
     電話 093ー951ー6143
     モノレール片野駅下車、徒歩8分ほど


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ま、いつもの通りの急な思いつきで、
泥縄も泥縄、
なんともう明々後日のことだというのに今頃告知。
あきれてものが言えませんって、
こらこら、自分のことだろうが!!
スミマセン!!

というわけで、
なにもハッキリとは決まってないんですが、
とりあえずですね、今のところは、

 ●柳田國男についての話をちょっと +「まよいが」朗読
 ●macお掃除おばさんのスピーチか朗読かなにか
 ●歌のおばさんの人生談話か歌かなにか

とかの参加表明は頂きました。
まだまだ参加枠はたっぷりあります。
始めての方も気後れするような場ではありませんので、
お気軽にお越し下さい。
見学?のみ、大歓迎!




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ということで場所のご案内

 モノレール片野駅下車。
 足立山方面に向って歩いて約8分。
 フォルクスがある信号のその次の信号、
 「たまりば」という居酒屋さんのあるビルの2階です。
 お店じゃないので、看板とか探しても見つかりませんよ。

 お車の方は近所のコインパーキングをご利用下さい。


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4番が一番近くて、うちまで徒歩1分ですが、ちょっと料金が高いですね。
3番が距離的にも料金的にもベストですが、3台しか停められません。
ダメもとで最初に行ってみましょう。
1番、2番からでも、ゆっくり歩いても5分はかかりません。



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猫がいます。
「キテニャ!」と申しております。
猫アレルギーの方はマスクなどで自衛の上お越し下さいますように。



2018年2月26日 (月)

みんなは特急列車に乗り込むけど

小学生の時、
名古屋に住むおじさん(母の妹のご主人)が本を贈ってくれた。
我が家に限らずその頃(昭和30年代)の一般家庭には、
子供の本としてはマンガ雑誌があるくらいのものだったと思う。

その岩波少年文庫の「星の王子さま」は、
小さいながらもまるで大人の本のようなちゃんとした丸背製本で、
スベスベの紙のカラー口絵も2枚ついていて、
ピンク色の連続模様の表紙もお洒落で、
「本」としても丁寧に作られている、
美しい本だった。


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▲これは後年買いなおした岩波書店版。岩波少年文庫版ではありません。
 (今の少年文庫版は新書のような造本)



ドイツのシュプランガーという心理学者によると、
なにを価値観とするかで、
人間は6つの型に分けられるという。

 ●理論型:論理的なこと、真理・真実に価値をおく。
 ●経済型:お金ですね。
 ●審美型:美しいもの、楽しいもの。
 ●宗教型:博愛、道徳。
 ●権力型:その名の通り。
 ●社会型:奉仕、福祉。周りの人への愛。

もちろんこんな風にハッキリ分けられるものではなく、
誰もがいくつも混ざり合ってるものだろうが。

ネットにそんなテストがあったのでやってみたら、
ぼくの場合は「審美型」ということだった。
まあ、当てはまらない部分もあるが、
少なくともお金とか権力とかに、
あまり魅力を感じられないのは確かだ。
良いとか悪いとかではなく。

「星の王子さま」の王様、実業家、
自惚れ屋、地理学者、酔っぱらい、点灯夫、
そしてキツネ、バラ、
それらに受けた影響が、
その後の生き方に大きく尾をひいているように思う。



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▲「星の王子とわたし」内藤濯(ないとうあろう) 1976年 文春文庫
 ある程度以上の年代の人にとっては「星の王子さま」といえばこの人の訳。
 これはその訳者のエッセー。
 




じつはぼくにも、
お金や名誉を求めた時期があった。
30過ぎてデザインの仕事を始め、
それが次第に軌道に乗り始めると、
欲が出た。

もっといい仕事を取りたいと、
それには外見を取り繕わなければと、
服を仕立てたりもし、
「人を動かす」といったような啓発本を読んだりもし、
きちんとネクタイを締め、整髪料をつけ、
常に自分の現在地を計測し、行く先を定め、
その為の方法を考え・・・、
そんな時間に充実を感じていた。



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幸か不幸か、
その「成功」にたどり着けなかったのは、
それだけの才能がなかったということもあるだろうが、
多分無意識のうちに、
そこへは行きたくないと思ってたからだ。
行き着いてれば、
今頃キノコになっていた。
危ないところだったと思う。
(キノコになった自分は今の自分を笑うだろうが・・・。)



今、人生の大半を終え、
人から見れば、
金も地位も名誉もない、
ただの貧相なむさ苦しいおっさんだろうが、
それでいい。
今の自分で良かったと思っている。

お金や権力というのは、
車のようなものだ。
快適で便利なものだけど、
上手く乗りこなせない者が乗ってしまうと、
事故を起こし自他ともに不幸にしてしまう。


  みんなは、
  特急列車に乗り込むけど、
  いまではもう、
  なにをさがしてるのか、
  わからなくなってる。
  だからみんなは、
  そわそわしたり、
  どうどうめぐりなんかしてるんだよ・・・

  ごくろうさまな話だ・・・

  「星の王子さま 25」訳:内藤濯



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会うこともないままに、
名古屋のおじさんは、
若くして亡くなってしまった。
まだ30代だったろうと思う。



会ったこともない親戚の子に、
本を贈ってくれたのは、
おじさんのところに娘さんが生まれた、
その喜びでの気まぐれだったのかもしれない。
幸せのお裾分けのような。

その理由がどうであれ、
おじさんが贈ってくれたその一冊の本、
その本が種になり、
今のこの部屋になった。
ぼくの最初の道しるべになり、
折々の分かれ道にも道しるべになってくれた、
その出会いに、
おじさんの年をはるかに超えた今、
あらためて感謝している。

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「週末図書室」として、
この部屋を、毎週金・土の5時から9時まで開けてます。
本や猫の好きな方は、
お気軽にお越し下さい。
立派な本はありませんが、
ガロとか、つげ義春とか、
ネコマンガとか落語の本とかがあります。
意外とそういった本がいい道しるべや、
いい道連れになったりするかもしれません。
立派な本には他所でも出会えますしね。





2018年2月21日 (水)

ネコ ト フルイ テレビ ダ ニャ!

老後の楽しみにとビデオを録り貯めてたものの、
見る手段がなくなって放置してましたが、
気のいい友人がビデオ一体型の古いテレビをくれました。

これで老後が楽しめます。
昭和20年〜30年代の日本映画とか、
実写版鉄人28号とか、スーパージャイアンツとか、
結構面白いビデオがありますよ。

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▲いま写っているのは「捨て猫トラちゃん」。
 日本のアニメーションの父とも評される政岡憲三1947年の作。



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このテレビ、
私以上に駄猫どもが喜んでます。



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チョウド イイ ノリゴコチ ダ ニャ!(ルテン)

すっかりお気に入りです。



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ドレドレ アタシニモ カシナサイ
ヨイショ! ット(ブラン)




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猫にはブラウン管テレビがよく似合いますね。

デジタルテレビの時代になっても、
猫のおかげで、
古いテレビを捨てられないお家、
多いんじゃないでしょうか?






2018年2月20日 (火)

こっそり図書室

いつのまにか本がたまって、
三方の壁面が天井まで塞がってしまった。
何度か思い切った処分をしたのだが、
なぜかまた増えてしまう。

いくら駄本ばかりとはいえ、
本を捨てるのはなかなか難しい。
ある時期からぼんやりと、
「路地裏図書館」というのを思い始めた。
路地裏のボロ家を終の住処とし、
いわゆる古本喫茶のようなものを営めたらと。

だが商売としてそんなことをするには、
「人付き合いが苦手」という、
大きな壁があった。
致命的な欠陥だね。

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客商売に向かないタイプとして
 ●人見知り
 ●気が利かない
 ●せっかち
 ●すぐ顔に出る
 ●ストレスに弱い
 ●言いたいことを言ってしまう
とか諸々ありますが、
見事に全部あてはまりますよ、わたし!
って、自慢してどうする?

ということでグズグズしてるうちに、
体力も気力も衰え、
あちこちギシギシきしむ老人になってしまった。
もう30年以上事務所として使ったこの部屋に、
すっかり根っこが生えてしまい、
引っ越す気力はもうない。

でもこのままではこの部屋も、
この本たちももったいない!


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ということで、
事務所だったこの部屋で、
毎週金曜・土曜の夜だけ密かに開ける、
「週末図書室」というのを始めることにした。
週末金・土の5時から9時まで開けてます。
本と猫の好きな方はお気軽にお越し下さい。
わたし、自分でいうほどには気難しくはありません(?)。

一応維持費として500円頂きますが、
その分お茶とお菓子くらいは出します。
珈琲はけっこう美味しいらしいです。
先日のライブの時、
ある女性のお客様が、
「私、じつは珈琲にうるさい方なんですが、
ここの珈琲はおいしかったです」と言って下さいました。
お世辞半分にしても有り難いお言葉!

まあ、特に本を読まなくても、
猫を撫でたり、
レコードを聴いたり、
ビデオを観たりとかもできますから。

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ということで場所のご案内。

    北九州市小倉北区片野2丁目16-15 
    電話 093ー951ー6143
    モノレール片野駅下車、徒歩8分ほど

お店じゃないので、看板とか探しても見つかりませんよ。
「たまりば」という居酒屋さんのあるビルの2階です。

車でお越しの方は下の地図を参照に、
近所のコインパーキングをご利用下さい。

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4番が一番近くて、うちまで徒歩1分ですが、ちょっと料金が高いですね。
3番が距離的にも料金的にもベストですが、3台しか停められません。
ダメもとで最初に行ってみましょう。
1番、2番からでも、ゆっくり歩いても5分はかかりません。






2018年2月 6日 (火)

週末図書室始めました

今月から、金・土曜の夜、5時から9時まで、
この部屋をひっそり、こっそり、
「週末図書室」として開放することにしました。

なぜひっそり、こっそり、なのかと言いますと、
私、社交的な性格じゃないもので、
だからあんまり沢山の人に押し掛けられては困るんですね。
って、心配しなくても、
押し掛けるほどには、だれも来ませんけどね。

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▲ネコ マンガ モ タクサン アル ニャ! (ルテン)


ということで宣伝もしてませんし、
看板も出してません。
ほそぼそと口コミで、
伝わるべき人に伝わってくれればいいなと思います。

それに、図書室と言いながらも、
知性や教養などとは無縁。
ガロ系まんがを中心に、
駄本・雑本ばかりなんです。

でも、だからこそ、
ある種の少数派の人たちには、
心地よく落ち着ける居場所になれるのでは?
と思っています。




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bookmenu.pdfをダウンロード


▲こんな本があります。
 あなたのお好みのジャンルはありませんか?
  画像では字が読めないと思いますので、
  興味のある方は画像下のpdfをダウンロードされて下さい。

この世の中で、この部屋の事を知ってるのは、
このブログを見てくれた人、
そしてメールで連絡した数人の人だけ。

その数人の人にしても、
名古屋だとか、博多だとか遠くの人だったりして、
友達の少ない私、
「当面誰も来ないだろう」と覚悟してましたが、
なんと初日2人、2日目3人のお客さん、
いやはや、ありがたいことです。

お客さん第1号はパーマンズのアキちゃんでした!
証拠写真を撮っとけばよかったけど、
でも第1号は永遠に第1号、
その栄誉は誰からも奪われません!
って、なんの栄誉?




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▲2日目
 あやらぎ楽団の曽田さん、トキコさん。
 図書室が音楽室になりました。


ということで、
ひっそり、こっそり。
ディランを中心に、
フォーク、ブルース、カントリー等のレコードもあります。
本の好きな方はもちろん、
ただぼんやりしたい方にも、
ゆっくりくつろげる部屋だと思います。
どうぞ、お気軽にお越し下さい。



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▲ここでの本選びのお助けに、
 こんな見所読み所カードを作成中です。
 パラパラッとめくれば、心の琴線にふれる作品と出会える!という仕組み?
 これからだんだん増やしてまいります。

なお、今週土曜日は月イチライブと重なりますので、
「週末図書室」としてはお休みです。
金曜日は開いてますよ。

先の話ですが、
4月21日の土曜日も、店主、博多へ出張ライブのためお休みです。

ご注意!


おっと!
場所のご案内を忘れてました。

モノレール片野駅下車。
改札口を出て左手前方の階段を降り、
ちょっと先の交番の角を左、
そのまま足立山方面に向って歩いて約8分。
フォルクスがある信号のその次の信号、
「たまりば」という居酒屋さんのあるビルの2階です。
お店じゃないので、看板とか探しても見つかりませんよ。

駐車場は1台だけ用意出来ます。お問い合わせ下さい。
満車の場合は近所のコインパーキングをご利用下さい。


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4番が一番近くて、うちまで徒歩1分ですが、ちょっと料金が高いですね。
3番が距離的にも料金的にもベストですが、3台しか停められません。
ダメもとで最初に行ってみましょう。
1番、2番からでも、ゆっくり歩いても5分はかかりません。


2018年1月30日 (火)

ぼんやりしに来て下さい

2月から、
つまり今週末から、
金曜・土曜の夜はここを開放することにしました。

ブックカフェなんぞというようなもんではありませんが、
路地裏図書館ゴッコとでもいいますか、
いえ、別に路地裏でもないんですが、
まあとにかく、本がいろいろありますし、
マンガとか文庫本とかがほとんどの、
駄本ばかりの棚ですが、
それでも私を形作ってくれた本達です。
眠らせといてももったいない、
できればたくさんの方に読んでもらえたら!と思った次第。

「なんだ、ここにある本を読んだらおまえのようなおっさんになるのか、
そいつぁごめんだ、くわばらくわばら」などという方もあるやもしれませんが、
まあ、別に本を読まなくても、
レコードを聴いたりとか、
ぼんやりしたりとか、
猫を撫でたりとか・・・、


とりあえずこんな雰囲気にしてみました。
けっこう落ち着けると思いますよ。

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▲インドの布でいきなり落ち着くでしょう?
 ここはガロ関係のマンガとかネコ関係のマンガとか、
 山川直人とか、東和広「ユキポンのお仕事」とか、
 comicばくとか、その他いろいろ、
 懐かしい「のらくろ」も並んでますよ。


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▲左、ディラン関係を中心にしたレコードの棚、
 それから右に行ってつげ義春、つげ忠男、水木しげる、杉浦茂とか、
 早川SF文庫とか、今はない旺文社文庫とか、
 花や鳥の図鑑とか、なぜか料理本とか、
 それからなんやらあれこれ雑多な本とか、
 あとロック関係、レココレバックナンバーとか・・・
 あっ、東海林さだおさん、大好きなんで結構揃えてますよ!
 中央の古いテレビは、テレビは写りませんが、
 ビデオを観ようと置いてます。
 私、老後の楽しみにと古い日本映画とか結構録り貯めてますんで、
 ご一緒にいかがでしょう?


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▲左の文庫本の棚は宮沢賢治先生とか太宰治、坂口安吾、
 荷風、百鬼園先生とか、西村賢太、川崎長太郎とか、
 あっ、落語関係もけっこうありますね、
 うしろは郷土関係とか赤瀬川原平さんとか、雑多なあれこれとか、
 ガロも結構古いのもポチポチ、70年代後半からはかなり揃ってます。



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▲自分的にはここ、一番落ち着くコーナー。
 背中はマンガ、花瓶の乗ってる棚は猫関係の文庫本。
 売本の棚もございます。

あとここには写ってませんが夢野久作とか横溝正史とか、
ウイリアム・アイリッシュ(別名コーネル・ウールリッチ)のミステリもオススメ!
意外なところで「赤毛のアン」とか、集英社版の「シートン動物記」とか、
さらに山本周五郎の時代小説なんかもありますよ。

というようなわけで、
アートとか、知性とか、
間違ってもそんな肩の凝るものはありませんから、
老若男女、年齢を問わず、
どなたでも安心してお越しください。

実際月イチのライブには、
20代から70代まで、
幅広い年齢層の方々にお見え頂いてます。
40代から上の方がやや多い?




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駐車場は1台は用意できます。
または上の地図を参照されて、
近くのコインパーキングをご利用下さい。
でもなんたって徒歩が一番!
モノレール片野駅からゆっくり歩いても8分です。
歩きましょう!
歩けば健康!一石二鳥!

開けてるのは金・土の、
夕方5時から夜の9時までです。
土曜日は時々ライブと重なる時がありますからご注意。




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▲ニャンカ フンイキ カワッタ ニャ!(ルテン右)
 ソウネ〜 ナンノ ツモリ カ シラ?(ブラン左)




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▲マア ニャンカ ワカラニャイケド
 トニカク アソビニ キテ ニャ!

 と、駄猫どもも申しております。

始めての方もお気軽にどうぞ!
私、決して愛想よくはありませんが、
まあ、それは人見知りのせいなんで・・・

って、
いい年をして人見知りもないもんだ!

スミマセン!




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